ピル- Pill -
避妊を目的としたピルは保険対象外になります(自費診療)が、治療を目的としたピルは保険の対象です。
- 避妊を目的とする低用量ピル
- 避妊に失敗したときに用いる緊急避妊ピル(モーニングアフターピル)
- 子宮内膜症による月経困難症治療を目的とした低用量ピル
避妊を目的とした低用量ピル
ピル(OC)は経口避妊薬とも呼ばれます。錠剤に女性ホルモンが含まれていて、毎日一回服用することにより排卵を抑え、妊娠を防ぎます。きちんと服用すれば、避妊成功率が最も高いと言われています。初診の場合は問診、血圧測定、体重測定、処方箋作成で4,000円程度かかります。また、血液検査や性病検査が必要な場合は検査代が追加されます。
避妊に失敗したときに用いる緊急避妊ピル(モーニングアフターピル)
避妊に失敗したとき、72時間以内に飲むことで妊娠を防ぐことができるピルです。このピルは性交後なるべく早く飲むことにより、避妊の成功確率が高まります。
1回の服用で済み、効果も高いと言われるノルレボ錠で15,000円(診察、処方、服用)です。
子宮内膜症による月経困難症の治療を目的とした低用量ピル
月経痛(生理痛)がひどく、日常生活に支障をきたす場合を月経困難症と呼びますが、その治療を目的とした低容量ピルは保険がききます。ピルの服用により女性ホルモンの変動を抑えて月経痛などの症状を軽減できますので、つらい思いをしていらっしゃる方は一度ご相談ください。
はじめての場合、初診料で5,000円程度かかります。これにプラスして、調剤薬局でお薬代として2,000円~3,000円程度必要になります。
月経(生理)の時期をずらしたい
ピルを使って月経(生理)の時期をずらすこともできます。例えば結婚式や海外旅行など、大切なイベントの時期に月経が来ないようにコントロールしたい場合に利用します。イベントの直前に来院しても間に合わないこともありますので、早めにご相談ください。
ピルの副作用が心配です
「ピルは副作用が心配」という声をよく耳にします。皆さん、何となく怖いのでピルを敬遠しがちですよね。でもピルは乳がんについて影響がないと考えられています。このほか、「ピルを飲むと太る」とよく言われますが、ご安心ください。ピルと肥満との間に関係がないことも医学的に確認されています。ピルには副次的な効用も多いですよ。卵巣ガン、子宮体がん、大腸ガンのリスク低下や、子宮内膜症の予防・治療効果が見られます。
心配な副作用として血栓症がありますが、極めてまれに起こる体質的なものです。ふくらはぎに症状が現れることが多いのですが、飲み始めて1週間で妙な筋肉痛が表れ、消失し、その後片側に左右差のあるむくみなどが出現したりします。ピルを飲み始めて最初の1ヶ月内に血栓症の症状が出ることが多いので、そのような時はピルの服用を中止して、すぐにご相談ください。
また、服用開始4,5日間は生理前のような気持ち悪さを感じる方も少なくありませんが、2週以内におさまることが多いです。これは副作用ではなく、ホルモンの正常な反応としてとらえてください。